毎日のお弁当作りたいへんですよね。
起きた瞬間、ごはんだけでも用意できていたらどれほど楽か…
ご飯を詰めるのは当日がベストです。
しかし、移動時間が短く、出先で冷蔵庫やレンジが使える場合は、前日の夜にご飯を詰めることも可能ではあります。
伴う食中毒リスクを正しく理解したうえで、細菌対策をしっかりと、納得いく選択をしていきましょう。
保温弁当箱の場合は熱々を、通常のお弁当箱の場合はしっかり冷やしてから。
賢く時短をしながら、美味しく衛生的なお弁当ライフを送りましょう。
弁当のご飯を前日に詰める方法ってある?
前日にお弁当のご飯だけでも詰めてもいいかというと、衛生面でのリスクを理解したうえで、条件次第では可能です。
弁当のご飯を前日に詰める場合は、
- お弁当の持ち運び時間が短時間(移動中は保冷剤を使用)
- お弁当の時間まで、保冷剤や冷蔵庫で冷やしておける
- 食べる食前にしっかりレンジで加熱できる
といった条件が整っていれば、可能ではあります。
とはいえ、なかなかこんな環境が整っていることは少ないかもしれませんね。
厚生労働省の資料によると、食品の適切な管理温度は「65度以上」と「10度以下(できれば5度以下)」。
この条件では菌の繁殖は鈍くなります。
しかしお弁当は、作りたてから時間がたつにつれ徐々に温度が変化し、この管理温度の範囲から外れることがしばしば。
10℃~60℃の危険温度帯にさらされるにつれ、菌の繁殖リスクは高まります。
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省公式サイト)
お弁当づくりによる食中毒を予防するために(農林水産省公式サイト)
どんなに気を付けていてもリスクはゼロにはなりません。
自分が食べるものであれば自己責任ですが、家族が食べるのであれば慎重になりたいもの。
前日の夜にごはんを詰めておけたら、朝の忙しいタイミングをずらすという点でとても魅力的ですが、同時に生じる細菌リスクについても考えて選びましょう。
お弁当作りにおいて最も重要なのは、雑菌を増やさないこと。
そのためには、お弁当のご飯を詰める際はきちんと冷ますことが鉄則です。
これはご飯を詰めるタイミングが前日であろうと当日であろうと変わりません。
もし温かいご飯をそのまま詰めてしまうと、以下のリスクが生じます。
- 水蒸気が弁当箱の上で水滴となって溜まり、雑菌の温床となる
- ご飯と食材(おかず)間で温度差が生じると、菌が繁殖しやすい危険な温度に!
粗熱をしっかりとってから詰めることで、ご飯はもちろん、その温度が他のおかずに伝わって傷むことを防ぎます。
季節の変わり目、気温が暖かくなる時期には特に注意していきたいですね。
お弁当のご飯を詰める時の冷まし方や時間など
前日にご飯を詰めたいけれど先ほどご紹介した条件を満たさない場合は、朝、ご飯を詰めるのがいいでしょう。
炊き立てご飯か、冷凍または前日炊いて冷蔵保存しておいたご飯をアツアツに温めて、冷ましてから詰めましょう。
炊きたてのご飯は一番温度が高く、衛生面でリスクも少ないので推奨されています。
美味しさの点でも、朝炊くのが理想的です。
(でも、毎朝炊くのはなかなか難しいですよね)
前日の夜に炊いたご飯や、冷凍保存しているご飯をお弁当に詰める場合は、一度熱々に電子レンジなどで加熱してから、冷まして詰めましょう。
温かいまま詰めてしまうことはご法度です。
ちなみにコンビニのお弁当は、できたてを詰めた後、専用の機械でできるだけ早く真空冷却して仕上げるそうです。
一般家庭ではそんな機械は導入できないので、家庭でできる時短ポイントをまとめました。
《粗熱を素早くとる冷まし方》
- 段取りを工夫し、ご飯の冷却作業から支度開始!(他のおかずを調理する間に冷えます)
- ご飯はできる限りうす〜く、平らに広げる
- バットの下に保冷剤をかませる
- 扇風機やうちわを使用する
- 詰めた後も、弁当のふたはギリギリまで閉めない
時期にもよりますが、大体15分ほどもすれば粗熱はとれます。
試したことはないのですが、水滴がつかないように蓋との間にキッチンペーパーをかませる方法もあるようです。
夏場は保冷剤と合わせてお弁当を包めばより安心できますね。
ご飯を温かいまま(熱いまま)詰めたい場合は保温弁当箱で
お弁当箱の中には、保温弁当箱というものがあります。
保温効果の高いステンレス容器を使用したお弁当箱で、ご飯をふっくら温かいまま(熱いまま)詰めることができます。
美味しさの面だけでなく、衛生面でも高温を保てるということはとても効果的です。
細菌が繁殖しにくいのは60度以上、または10度以下の状態。
作りたてのおかずや炊き立てのご飯など、できたて熱々の状態で保温弁当に入れた場合、高温を保つことで菌の繁殖を防ぐこともできるのです。
普段は冷却に意識を向けますが、保温弁当の場合は冷まさないで詰めましょう。
(ステンレス部分を事前にお湯で温めると保温効果アップ!)
保温弁当箱には数種類タイプがあるので、用途に合わせて使用することができます。
容量もいくつか種類がありますよ。
ジャータイプ
ご飯と汁物、食事まるごと温かいまま持ち運べます。
自宅と同じ感覚で食事を摂れるでしょう。
ご飯ジャータイプ
ご飯を入れる部分のみ保温容器で、そのほかは普通のお弁当箱です。
おかずが別容器になっているため詰めやすいですね。
ご飯だけは温かいのがいい!という方にぴったりです。
丼型
ご飯の上におかず容器があり、一緒に温められます。
汁気の多いおかずなども、ご飯と合わせて持ち運ぶことができます。
スープジャー型
スープのみ保温が可能なタイプです。
コンパクトなので持ち運びやすいですね。
私の娘は少食なので、あまり重くなりすぎないように、保温ご飯コンテナが良いかなと思っています。
保温弁当箱を使うとご飯はふっくら温かいまま詰めらますが、難点は持ち運ぶ際の重さや大きさでしょうか。
弁当箱の種類によっても変わりますので、食事量や生活に合わせたタイプを探してみてくださいね。
お弁当のご飯の硬いのが気になる場合は朝炊くべき?
冷凍や冷蔵保存のご飯を、朝レンジで温め直して詰めると硬くて気になる!という人は、炊き立てのご飯を詰めるのがおすすめです。
ご飯は炊きあがりが最も美味しく、時間とともにパサパサになります。
レンジで加熱すると復活はしますが、炊き立てほどにはならないんだそう。
(個人的には十分おいしいのですが)
また、朝炊いた方が傷みにくいという点からも、当日に炊くことが推奨されています。
ご飯が硬いのが気になるけど毎朝炊きたくないなら、冷めても美味しい炊き方を探してみてはいかがでしょうか。
例えば、
- 単純に、少し柔らかめに炊く(お弁当用にまとめて炊いて冷凍保存しておいても)
- 油やみりん、ハチミツなどを入れて炊く(お米の水分が飛びにくくなる)
- 浸水をしっかりする
- 炊飯ジャーの説明書を参考に、一番美味しく炊けそうなコースを試してみる
私はいつも、熱々に電子レンジでチンしてから、軽くほぐすと十分美味しく感じます。
中途半端に温めるとパサパサになる感じがするので、温め方も一度確認してみてくださいね。
詰めるタイミングは、炊き立てご飯も、冷ご飯も「しっかり加熱し、きちんと粗熱を取る」がお弁当の基本です。
冷却は面倒がらずに頑張りましょう。
お弁当に冷凍ご飯を持って行ってもいい?
電子レンジが出先にある場合は、食事時に加熱ができるので、冷凍米を持参することは可能です。
しかしその際、持ち運びの間など、中途半端な温度で長時間放置されることのないよう気をつけましょう。
現地に着いたらすぐ冷蔵庫などで保管し、温度管理をしてあげたいですね。
ただ、お弁当に冷凍ご飯をそのまま持って行って常温解凍を目指す場合は、なかなかリスキーかもしれません。
まず、昼食どきに食べごろに解凍されるか?
ベチャベチャになってしまう恐れもあります(ゆっくり解凍されると、水分が外に出やすく美味しくなくなります)。
お米の芯までキチンと解凍されていない状態でお昼を迎えてしまう恐れもあります。
そもそも、自然解凍のご飯は、パサパサ(モソモソ?)でまずいのでは…?
(食べたことがないので想像ですが)
また、冷凍ご飯に付着した菌が目覚めてしまったら?
余分な水分は菌の温床となりますので、不安ですね。
というわけで、温められない場合は、冷凍ご飯を持って行くのはおすすめできません。
ちなみに、冷凍ご飯をおいしく食べるためには、解凍だけでなく冷凍の際の工夫も大切です。
- できるだけ炊き立てを蒸気ごと包む
- 熱が抜けやすいよう、薄めにふんわりと盛る
- ジップロック袋などで匂いうつりを防ぐ
- 出来るだけ早く急速冷凍を目指す
毎日忙しい時間を工面して作るお弁当。
できるだけ安全に、美味しく、手間はかけずに、生活に上手に取り入れていきたいですね。